＂拔刀後、☆~

夏風（なつかぜ）がノックする窓（まど）を開（あ）けてみると  

何処（どこ）からか迷（まよ）い込（こ）んだ鳥（とり）の声（こえ）

読（よ）みかけの本（ほん）を置（お）き

「何処（どこ）から来（き）たんだい」と笑（わら）う

目（め）隠（かく）ししたままの午後（ごご）三時（さんじ）です。

世界（せかい）は案外（あんがい）シンプルで

複雑（ふくざつ）に怪奇（かいき）した

私（わたし）なんて誰（だれ）に理解（りかい）もされないまま

街（まち）外（はず）れ、森（もり）の中（なか）、

人目（ひとめ）につかないこの家（いえ）を

訪（おとず）れる人（ひと）などいない訳（わけ）で。

目（め）を合（あ）わせないで！

固（かた）まった心（こころ）、

一人（ひとり）ぼっちで諦（あきら）めて

目（め）に映（うつ）った無機物（もの(歌手這麼唱)）に安堵（あんど）する日々（ひび）は
 
物語（ものがたり）の中（なか）でしか知（し）らない

世界（せかい）に少（すこ）し憧（あこが）れる

ことくらい許（ゆる）してくれますか？

淡々（たんたん）と流（なが）れ出（だ）した

生（う）まれてしまった理不尽（りふじん）でも

案外（あんがい）人生（じんせい）なんで。

私（わたし）の中（なか）じゃ。

ねぇねぇ、突飛（とっぴ）な未来（みらい）を想像（そうぞう）して

膨（ふく）らむ世界（せかい）は今日（きょう）か明日（あした）でも

ノックしてくれないですか？

なんて妄想（もうそう）なんかして

外（そと）を眺（なが）めてると

突然（とつぜん）に聴（き）こえてきたのは喋（しゃべ）り声（こえ）

飲（の）みかけのハーブティーを

机（つくえ）中（ちゅう）に撒（ま）き散（ち）らし

「どうしよう・・・」と

ドアの向（む）こうを見（み）つめました。

「目（め）を合（あ）わせると石（いし）になってしまう」

それは両親（りょうしん）に聞（き）いたこと

私（わたし）の目（め）もそうなっている様（よう）で

物語（ものがたり）の中（なか）なんかじゃいつも

怖（こわ）がられる役（やく）ばかりで。

そんなこと知（し）っている訳（わけ）で。

トントン、と響（ひび）きだした

ノックの音（おと）は初（はじ）めてで

緊張（きんちょう）なんてものじゃ

(緊張（きんちょう）なんてもんじゃ ←實際上歌手唱的是這句(腔調的關係))

足（た）りないくらいで。

ねぇねぇ、 
突飛（とっぴ）な世界（せかい）は想像（そうぞう）しているよりも

実（じつ）に簡単（かんたん）にドアを開（あ）けてしまうものでした。

目（め）を塞（ふさ）ぎうずくまる姿（すがた）にその人（ひと）は驚（おどろ）いて

「目（め）を見（み）ると石（いし）になってしまう」と言（い）うと

ただ笑（わら）った。

「僕（ぼく）だって石（いし）になってしまうと、怯（おび）えて暮（く）らしてた

でも世界（せかい）はさ、案外（あんがい）怯（おび）えなくて良（い）いんだよ？」

タンタン、と鳴（な）り響（ひび）いた

心（こころ）の奥（おく）に溢（あふ）れてた

想像（そうぞう）は世界（せかい）に少（すこ）し鳴（な）り出（だ）して

ねぇねぇ、突飛（とっぴ）な未来（みらい）を教（おし）えてくれた

あなたがまた迷（まよ）ったときは

ここで待（ま）っているから。

夏風（なつかぜ）が今日（きょう）もまた

あなたがくれた服（ふく）の

フードを少（すこし）しだけ揺（ゆ）らしてみせた。